おもしろコラム 3月号
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 テレビや新聞雑誌にネットなどでは、これでもかというほどの健康情報が満ち溢れているといっても過言ではありません。 平均寿命は延び、終戦直後の平均寿命は男女とも50歳に手が届くかどうかだったのが、いまや男性81歳、女性87歳と30年も長生きできるようになりました。これも医学の発展のみならず栄養や食事の充実が深く関係しています。 ●その健康情報は正しいの? しかし有名な新聞や雑誌、テレビ番組だからといって、健康情報を鵜呑みにしてしまうと、かえって健康を損ねかねないということも少なくないようです。 例えば、お酒の二日酔い防止にウコンのサプリやドリンクを摂取する人も多いことでしょう。しかし日本肝臓学会の報告によると、ウコンによる薬物性肝障害は全体の24.8%もあり、薬物性肝障害の中で突出して高いものでした。 日本医師会のホームページには「通常、食事中に含まれる量であればおそらく安全と思われますが」と注意がなされているのです。(もちろんウコンが体に悪いという意味ではありません。過剰摂取に注意ということです) ブルーベリーで目が良くなるという話しを聞いたことがある人も多いでしょう。ブルーベリーエキスのテレビCMも盛んに放送されていますがブルーベリーが目に良いという医学データはありません。 昭和の時代、鉄分が豊富と推薦されていた「ひじきの煮物」は近年、釜を鉄からステンレスに変えたことで鉄分が激減。それどころか無機ヒ素という発がん物質が多く含まれることがわかり、厚労省は現在、毎日たくさん食べないように指導しています。(これも食べてはいけないということではなく、大量に毎日食べるのはやめましょうということです) このように一般人が「健康的」「健康食」と思っている食べ物の中に、効果が証明されていないものや、むしろ危険かもしれない食品が多くあり逆に一般人が「危険」と思っている食品がむしろ安全な場合も多くあるのです。 ●消費者庁の健康食品への意見が辛辣すぎて笑えるほど 17年に消費者庁が『健康食品Q&A』という冊子を公表しました、国民の健康食品への質問をまとめたものですが、それがかなり辛辣なのです。全文を引用すると長くなるので一部要約す●食と健康の時代 現代社会ほど、多くの人が命をつなぐためではなく、健康を意識しながら食事をしている時代は過去一度もなかったでしょう。多くの人が、ただ美味しいものをおなか一杯食べたいと願うよりも、むしろ「太りたくない」「健康が気になる」という理由から、食べ物を選ぶ時代となりました。健康食品という食文化

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