おもしろコラム 3月号
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 なかには水のありがたみが理解できていない人もいるかもしれない。ありがたみの感じる、感じないにしろ共通していることは水無しに生きることは出来ないという事実だけである。(コラムニスト 加藤恭介/絵:そねたあゆみ)  地球には水がたくさんある。とくに日本には水がたくさんあり、その事実は海外と比較するとよくわかる。水は人の命の源であり、時に人の命を奪う。 水を絵で描くことは難しい。ただ青やみず色一色ではなく夕焼けの時には赤であり橙色にも見える。曇りの日の水はグレーだったり深い川や沼は黒にも見える。 水は透明として様々な色が隠れており、そのことを一番理解している画家クロード・モネの絵には、実際"水"が度々描かれている。水面に反射する光や、流れで歪んだ水の筋を描くにしてもとにかくモネは誰よりも哀愁的で感情を抑えながらも水という源を理解しているように感じる。 コップ一杯の水にしろ、川に流れる水にしろすべてに色があり個々によるとらえ方も異なる。 水のありがたみを特に感じているアフリカの人々に水はどのような見方でいるだろうか。水源が豊かな日本にいるからこそ感じる水のありがたみもあるが、なにより水不足こそ深刻な問題は無いだろう。だからこそモネは水を描いたのかもしれないし、水の色を描けたのかもしれない。水の色は?

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