おもしろコラム 3月号
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二胡の音色は何とも言えない哀愁が漂う。穏やかで優しい気持ちにしてくれ、今の気持ちを素直に解決してくれる。良い意味でも、悪い意味でも気持ちを深くしてくれる。特に昔からある曲は歴史の違いなのか、大きななにかを感じることができた。そして演奏者それぞれの個性や演奏の仕方がまた一つの曲をさまざまな曲にしてくれる。それは二胡にかぎらずずべての楽器にいえる。 二胡のもっとも有名な曲で二泉映月があるが、昔の中国色が強く、演奏者によっては厳かに聴こえ、時に広大で、時に伝統的で率直にも聴こえる。 人の声に近い楽器としても有名で、歌っているようにも聴こえる。日本で活動している中国人演奏者は日本の音楽を二胡で演奏しているが、どれも伸びやかで若い人にもすぅと心にはいってくる。もともと中国の古い文化や芸術品、料理などが日本にもなじみがあるから二胡は素直に聴けた。 ヴァイオリンやピアノの音色も好きだが、アジア色の強い二胡は外国の楽器でありながら、最も身近に感じるし、なにより心が洗い流される。 二胡は自分にとってはストレス解消法でもある。このあいだ聞いた曲に、激しい曲で馬を表現しているものがあった。題名に馬という字があったから馬の曲というのが分かったがなんと二胡で実際に馬の鳴き声を表現したのだった。楽器で動物の鳴き声を出すというあまりのサプライズにより、今までよりも二胡が大好きになった。 (コラムニスト 加藤恭介/絵:吉田たつちか )2011-03なぜか身近に感じる二胡の音色
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