おもしろコラム 3月号
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先日、自動車整備業の方とお話していたら、最近、エンジン故障で入庫する車が増えているとのことです。規制緩和で、セルフ給油のガソリンスタンドが増えているのがエンジントラブルの原因です。以前は、給油のたびに、スタンドマンが車のフードを開けてエンジンオイルの汚れや劣化状態を調べてくれました。これは、親切心からの行為ではなく、オイル販売促進の一環として行っていたのです。カーユーザーも、2〜3回、交換を要請されると、シブシブながらオイル交換を了承していました。ところが、セルフ給油だと、誰も注意してくれません。そのため、オイル交換の時期を大幅に過ぎて、オイルが劣化したまま、あるいは減少したままで走行を続けてしまい、エンジン本体を壊してしまうことになるのです。エンジンの載せ替えは膨大な費用がかかります。古い車ならば、中古車を買った方が安い場合もあります。アメリカでは、高校などで、車の簡単なメンテナンスの教育が行われています。砂漠の真ん中で、エンジンが止まってしまうと命にかかわる場合があるから、最小限の知識は不可欠なのです。これに対し、日本では、学校教育現場での教育もなされずに規制が緩和されてしまったために、カーユーザーが車を壊してしまうはめになるのです。車にはこの他にも、トランスミッションオイル、パワステオイル、ブレーキオイル、ATF(オートマチック専用オイル)などがあり、それぞれ適切な交換時期が定まっています。オイル交換時には、次回の交換時期(走行距離または年月)を記したシールを貼ってくれますが、私のようなずぼらな人間は、これさえ確認することを忘れてしまいます。修理工場やカーショップ、ガソリンスタンドなど、信頼できるところか人を決めて、交換時期が来たら、携帯電話やメールで知らせてもらうと安心です。<自動車オイルの事をわかりやすく紹介しているサイトはhttp://www.w-bandaibashi.com/life/oil/>(文:ジャーナリスト、井上勝彦/絵:吉田たつちか)2007-03オイル交換を忘れずに

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