おもしろコラム 3月号
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うかと。 時代劇ではお約束の高麗人参がよい例だと思います。娘を身売りしてまで庶民が欲しがった奇跡の万能薬は、高価だからこそ効力を発揮したのではないでしょうか。 もちろん、原価の10倍も20倍も高い無茶な値段設定は倫理的に許されるものではありませんが、常識的な範囲での少々高めの値段設定は、必要悪の部分もあるのではないかと思っています。必要悪というと少々語弊があるかもしれませんが、研究開発や品質管理面などで値段に見合うコストをかけているという意味です。 健康食品は普段の食事からは十分な摂取量を確保できない栄養成分を補給したり、普段の食品には含まれていないような機能性成分を摂取することができるだけでなく、心理的な効果でも健康の維持・増進に役立っているのではないかと思います。 消費者目線でのアドバイスを申し上げますと、自分の体調にプラスになるだろうと思うことができないような健康食品は摂取すべきではないということです。せっかく、安くはない金額を払うわけですから、人から無理に勧められて食べるのではなく、これなら試してみたいと信頼できるようなものを選ぶべきです。そのような信頼できる健康食品は、それらに含まれる栄養成分や機能性成分本来の働きにに加えて心理的な効果も上乗せされる訳ですから、きっとよい結果を生み出すことと思います。(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:吉田たつちか)2011-03

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