TEBRA通信 2020年1月号
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------------3▍アイドリングストップの禁止条件(参考)◦トヨタ                         (参考:カローラアクシオ&フィールダー・E16)安全性・信頼性バッテリ保護快適性エンジンコントロールコンピュータ学習操作性禁止理由ジャンプスタート等でフードパネルを開けたままエンジンを始動した場合。エンジン停止前に運転席ドアまたはフードパネルを開けた場合。*1エンジン停止前に運転席シートベルトをはずした場合。ブレーキペダル踏み力が弱い場合。ブレーキブースタの負圧が不足している場合。ブレーキペダルを強く踏み込み、急減速し停止した場合。アクセルペダルが踏まれている場合。リフレッシュ充電中(約20時間走行する毎に30分から1時間程度実施)アイドリングストップ率が所定割合以上に達した場合。バッテリの充電量が低下(電流積算値*4がしきい値未満)外気温が高く、エバポレータ温度も高い状態でA/CスイッチをONにした場合。外気温が-5℃以下の場合。外気温が低く、エンジン冷却水温も低い状態でブロワスイッチがONの場合、エンジン始動から一定時間ストップアンドスタートシステム作動を禁止します。エアコンディショナの吹き出し口がDEFモードで、ブロワスイッチがONの場合。*5エンジンコントロールコンピュータ学習が完了していない場合。*6ステアリングホイールを操作中(毎秒45度以上の回転)の場合、ストップアンドスタートシステム作動を禁止します。状態*1:アイドリングストップ中にフードパネルが開いた場合、エンジンは再起動を行いません。この場合、シフトレバーをP・Nポジションとしたのち、イグニッションスイッチ*2またはエンジンスイッチ*3により再起動できます。(*2:スマートエントリ&スタートシステム非装着車*3:スマートエントリ&スタートシステム装着車)*4:エンジンストップアンドスタートコンピュータは、バッテリの状態(充電・放電状態)にもとづいてシステム制御モード(ストップアンドスタートシステム制御許可・禁止)の切り替えを行い、バッテリを保護しエンジン起動時に安定した作動を確保します。バッテリ放電・充電状態はバッテリカレントセンサ信号から計算した積算電流値により判断します。積算電流値は、バッテリカレントセンサで検出した電流(A)に時間(秒)を乗じて算出し、A-secという単位で表し、診断ツール「GTS(グローバルテックストリーム)」で測定できます。エンジンストップアンドスタートコンピュータは積算電流値にもとづいて電力を判断し、値がしきい値未満になると、安定したエンジンの起動性を確保できない可能性があるため、ストップアンドスタートシステム制御を禁止します。しきい値はバッテリの温度やバッテリの充電状態に応じて異なります。*5:オートエアコン装着車*6:エンジンコントロールコンピュータ交換または診断ツールによりエンジンコントロールコンピュータ学習値が消去された場合、エンジンコントロールコンピュータの学習が完了するまでストップアンドスタートシステム作動を禁止します。備考アイドリングストップの作動条件には、車両毎に様々な“条件”があり、“条件”を満たしていても作動しない要因が多々あります。例えば、バッテリーの電圧レベルが、アイドリングストップの作動要件以下に落ちているケースなどが主な要因として上げられます。又、一定の作動要件を満たしていても、車両ECU側が“作動要件を満たしていない”と判断する場合もあります。(場合によっては、フェイルセーフモードに移行する車両有り)本書では参考として、各メーカー毎の「アイドリングストップの禁止条件」を一例として収録しました。点検・整備等を行う前に、「車両の現状」を把握するヒントとして確認することを推奨します。

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